いずみハートクリニック

コラム

2013年11月11日

心の居場所を作る

子どもに心の余裕を持ってもらうのに、
「話を聞いてあげる」
「『どんなときもあなたの味方なんだよ』というメッセージを送ってあげる」
ということが大事ですよというお話をしました。

このことをもっと深く掘り下げて述べるとするなら、
『子どもに心の居場所を与えてあげる』
ということがとても大事なことです。

心の居場所とは、
“どのような状態にあっても誰からも責められず、ありのままの自分を受け入れてもらえる場所”
のことです。

ときには、生活リズムが崩れてしまって、朝きちんと起きなくても見逃してあげる。
ゲームに没頭していても、見逃してあげる。

ゲームばかりしているとダメなんじゃないかという人がいます。
その通りです。
子どもだって本当はゲームばかりしていてはダメなのはわかっています。
でも、子どもの心を見つめると、ゲームがやりたくてやっているというよりは、現実から逃避して、心の居場所がほしくてゲームに没頭しているのです。
家の中に心の居場所ができると、自然とゲームをする時間が減ってきます。

要するに、親からするとダメダメなことをしていても、それも含めて受け入れてあげる。
それよりも、友達と遊んだり、リビングに出てきて親に話をしてきたりするようないいところがあれば、それを褒めてあげる。
そうすると子どもは、
「お父さんやお母さんは本当に私を受け入れてくれているんだなあ。
別に無理をしなくてもいいんだ」
と思えるようになり、心の余裕が出てきます。

心の居場所を作ってあげようとするとき、大事なのは声のかけ方だけではありませんよ。
お父さんやお母さんが、「本当にこのままでいいのだろうか」という不安や恐怖心に打ち勝ち、心の余裕の大切さを腑に落とすことです。
形だけではなく、心の底から子どもの存在を受け入れてあげるんです。
その思いが子どもへの眼差しとなり、家の雰囲気となり、確実に子どもの心に伝わるんです。

みなさんだって、家に居場所がないと思うことがあるでしょ?
「この家には、子どもの心の居場所はあるのかなあ」と考えてあげて、もし「心の居場所がなかったのかもしれないな」と思うなら、今日から作るように心がけてあげることです。
すると、子どもの心は救われます。

 


2013年11月11日

あなたの言葉は伝わっている?

心の余裕がないときには、言葉というものは伝わらないんです。
みなさんだってそうでしょ?

例えば、一日の仕事を終えてぐったりとしているときに、さらに赤ん坊が泣いて面倒を見なくちゃいけない。
そんなときにもうひとりの子どもが「お母さん、お話をしたいんだけど…」と言っても、つい「あとにして!」などと言ってしまうでしょう。
もしかしたら、その子どもは学校でいじめられているお話をしたかったのかもしれません。
でも、親自身に心に余裕がなければ、子どもの話を聞くことができず、子どもが心を開くチャンスを逃してしまうかもしれません。

子どもだって同じです。
不安や恐怖感がいっぱいで、心に余裕のないときには、親の話が聞けません。

だから、親は自分の言いたいことを言うのではなくて、
“心を見つめ、心に余裕があるかどうかを見てあげる”
ことです。
そして、心に余裕がないなと思ったときには、心に余裕を与えるように
「話を聞いてあげる」
「『どんなときもあなたの味方なんだよ』というメッセージを送ってあげる」
ことです。

心に余裕が出てきたかなと思えるようになってきたら、
「別に無理をしなくて、今のままでもいいんだよ」
というメッセージを伝えながら、あなたが思っている思いを
“押し付けるのではなく、提案する”
という感じで話してみられたらどうかなと思います。
子どもの心の余裕という隙間に、あなたの言葉が伝わる可能性が高くなります。

心の余裕がなければ、言葉は伝わりませんよ。
心の余裕がなければ、子どもが自ら頑張ろうと思う主体性は引き出せません。
心の余裕を与えてあげなければ、何も変わりません。

だから、心を見つめ、心の余裕があるかどうかを見てあげましょうね。

 


2013年11月11日

心の余裕があるかどうかをみましょうね

基本的安心感のない子どもには自信がありません。
自信、すなわち、自分を信じることができないんですね。

ですから、何か物事がうまくいかなくなると、心の中には不安や恐怖感が急に増大します。
不安や恐怖感で心がいっぱいいっぱいになると、心に余裕がなくなります。

心という風船の中は、不安や恐怖感という爆発物でいっぱいになるんですね。
そんなとき、何かちょっと自分の思いと違ったことを言われると、パーンと爆発して人にあたってしまいます。
ちょっとしたストレスで、心という風船がわれてしまって、落ち込んでしまいます。

余裕のないときには、本人のストレスになるようなことを言っても、反発するか、自分を責めて落ち込むだけなんですね。
まともな説教をしても、その言葉を受け入れられないんですね。
だから、何かを言う前にその人に心の余裕があるかどうかを見ることが大事なんです。

そうしたことを知ってほしいなと思います。

 


2013年11月11日

基本的安心感を育てるには?②

基本的安心感を育てるのに大事な二つめのポイントは、
「だめな子どもを受け入れてあげる」
ことです。
具体的に述べると、
「子どもがダメなことをしたときこそが、基本的安心感を育むチャンスである」
ということです。

基本的安心感とは「無償の愛で受け入れてもらっている」という安心感です。
これは、子どもが頑張ったときにほめているだけでは培われません。
子ども自身が「これはダメだな」「悪いことをしたな」と思うような行動をとったときに、受け入れる言動を投げかけてあげることによって初めて培われるものなのです。

子どもがテストで悪い点数をとってきて、それを見せたとき、大抵の親は「もっと勉強をしないとダメだね」といったことを話します。
しかし、それだけではなく、
「でも、悪い点数でもちゃんとテストの結果を見せたのはえらいね。
もしかしたら、お母さんに怒られるんじゃないかと思ったんじゃないかな?
それでも、勇気を出して正直に見せることができたのはえらかったと思うよ」
とか、
「テストでいい点数をとるのは大事。
けれども、悪い点数をとっても明るく、元気にしているのはもっと大事なことだよ。
生きているとこれから先も失敗したり、うまくいかなかったりすることがある。
そのときにこれでもう自分はダメだと思ってしまうのが一番良くない。
失敗しても明るく、元気に生きていく強さがあれば、どんな試練だって乗り越えていける。
だから今回はテストの点数は悪かったけれど、明るく、元気なら、お父さんやお母さんはOKを出してあげるよ」
このように
“私たちはあなたという人間そのものを受け入れているんだよ”
というメッセージを投げかけてあげることが大事なことなのです。

私の記憶が確かであれば、WBC世界バンタム級チャンピオンだった辰吉丈一郎にこんなエピソードがあります。
幼少時、外に遊びに行こうとする丈一郎に、父親が
「こけたら立てよ。池でおぼれたら泳げよ」
と声をかけていたそうなんです。

普通の親であれば、
「こけないようにね。池は危ないから近付いちゃダメだよ」
と声をかけると思います。
全く逆ですね。

一見、丈一郎の父親は無謀なことを言っているようですし、「それでこけたり、おぼれたりしたらどうするの?」という問題はありますが、この父親の声かけは丈一郎の心に安心を与えたのではないかと思います。
「失敗してもいいんだよ。
失敗しても、そこからもう一度立ち上がればいいんだよ」
丈一郎の心にそうしたメッセージを植えつけたのだと思います。
その後の彼はチャンピオンの座から陥落しても、故障をしても、何度も何度も再チャレンジして、一度はチャンピオンの座を奪還しています。
そして、その生き様は多くの人の心に感銘を与えています。

ときには、子どもに失敗させることも大事なことです。
失敗をしても受け入れてあげる。
また立ち上がればいいと教えてあげる。
こうしたメッセージを送り続けていると、基本的安心感は育まれていきます。

 


2013年11月11日

基本的安心感を育てるには?①

基本的安心感を育てるにおいて大事なことは、
「親の不安をぶつけない」
ことです。

例えば、子どもを叱るにしても、親自身が不安で怒っていることがあります。

子どもが勉強もせずにゲームばかりしている。
そうすると、いつまでたっても勉強に取り組めない。
視力も下がるかもしれないし、自律神経にだって負担をかける。
だから、「いい加減にしなさい。ゲームをやるにしても時間を決めてやりなさい」と注意し、叱るわけです。

しかし、親は本当にそうした思いで叱っているかというと、そうでないことがあります。
「親が一生懸命に働いているのに、子どもがゲームばかりして遊んでいる姿を見るとイライラする」
「ゲームばかりしてこのまま勉強をしなければ、将来、大学にも行けず、ニートになってしまうかもしれない。そうなれば、私たちが一生面倒を見ないといけないってこと?そんなのはごめんだ」
もちろん、そうした親の気持ちも自然な感情ですし、わかるところがあります。
ただ、子どもへの思いよりも親自身の思いが優先した状態で怒ると、子どもに親の不安やイライラがぶつけられることになります。

親の不安やイライラが子どもにぶつけられるとき、親の心には
「こんな子どもは受け入れられない」
という思いがこめられています。
すなわち、子どもの存在を否定するメッセージがこめられているのです。

自分の存在を否定するメッセージを送られた子どもが、基本的安心感を持つことなどできません。

親にだって未熟なところがあり、不安やイライラをぶつけてしまうのは仕方ないことがあります。
しかし、そうした行為が子どもの中に不安な心を作るということを知っていれば、知らないときよりかは歯止めをかけることができるでしょう。
叱るときだって、純粋に子どものことだけを思った叱り方ができるようになってくるだろうと思います。

 


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