コラム

いかにして拒食症の治療をスタートするか?③

2014年01月18日

拒食症の治療をスタートするには、治療への動機づけを上げることが必要です。
そのための方法論は前回のコラムで述べましたが、治療者にも一定の心構えが必要です。
それは治療者自身が「あきらめない」「見切らない」ということです。

拒食症の人の病状の重さ、それはすなわち病気の自己によるマインドコントロールの強さにぶつかるとき、おそらく多くの治療者は「これは無理だ」という気持ちに駆られるのではないかと思います。
しかし、治療者が無理だとあきらめたとき、そこに限界を突破する可能性はなくなります。
私自身も自分の経験を振り返ると、摂食障害の治療は“一人ひとりの限界への挑戦”の繰り返しでした。
自分の中に芽生えそうになる「無理だ」という気持ちと戦って、その人の本当の自己の心の可能性だけを見つめ、その可能性に賭けてきました。
そうして、あきらめず関わってきたことで「どこに行っても治らなかった」という人を治癒に導き、限界突破をしてきました。

治療者がこの姿勢を持つことはなかなか難しいことのようです。
病気だけを見ていると、病気の難しさに気持ちが折れそうになるのです。
『本当の自己とその可能性を信じる』という姿勢が「あきらめない」「見切らない」ということを可能にするのだと思います。


本当の自分に目覚め、幸せに生きるダイヤモンドの心の医療