コラム

【思春期】子どもが問題行動を起こしたとき③

2013年11月11日

子どもが問題行動を起こしたとき③

では、子どもが問題行動を起こしたとき、具体的にはどのように関わればいいでしょうか?

まず、親としての物事の正邪に対する考え方は伝えるべきだと思います。
「ダメなことはダメ」と。
ただこの伝え方には2つのレベルがあります。

一般的な問題行動、すなわち、不登校やリストカット、万引き、素行の悪さなどですね。
こうしたことについて、「親としては、こうした理由でやるべきではないと思う」と自分たちの考えを伝えるのは大事なことだと思います。

ただそれを絶対に納得させようと押し付けちゃダメですね。
大体の子どもは「悪いことをしているな」とわかっています。
それでもやっているのですから、もう一度再確認させる意味で、親の考えを伝えておくのです。
親の考えを提案しておくといった感じですね。
必要以上に自分たちの考えを話し続けて、説教をしないことです。
それは全く逆効果になりますからね。

一方、厳しく話さないといけないこともあります。
本人の生死にかかわる問題、他害行為、法を犯すような行為。
これらについては、断固として厳しく話す必要があります。

具体的には、命に関わるのではないかという行為、例えば、衝動的に家の2階から飛び降りる、異常なやせにもかかわらず全く食事をとらずに低血糖発作で意識を失うなどです。
あるいは、人への暴力、性的暴行、覚醒剤などの薬物の使用などもあります。
このような自らの身を危険にし、他人に害を及ぼす行為については真剣に叱り抜かなくてはいけません。

もし、こうした行為を「まあ、いいじゃないか」と見逃したとするならば、それは優しさではありません。
教育の怠慢であり、逃げであり、愛情の欠如です。
子どもへの深い愛があるのであれば、真剣に叱らなくてはなりません。

但し、厳しく叱るときには、ダブルメッセージを意識することが大事です。
いまどきの人たちは真剣に叱るだけでは、その奥にある愛情の深さをなかなか理解できません。
「自分の人格を否定された」といったふうにだけとらえてしまいがちなのです。
言葉にしなければ、愛情がわからないのです。

ダブルメッセージとは、叱る一方で、それとは全く逆の愛情の言葉をきちんと伝えることです。
「これだけ怒っているのは、お前のことを本当に大事に思っているだ。
どうでもよければ何も言わない。
本当に愛しているから、どうしても見捨てられないから言っているんだ」

「確かに問題行動を起こしたお前自身はダメなところがあるし、問題だ。
でも、お前の心の中には絶対にダイヤモンドの心がある。
それは、お前のちょっとした行動を見ているとわかる。
心の奥には優しい気持ちがあるし、ダイヤモンドのように輝いた心があると思う。
表面的にはダメなところがあるけれど、ダイヤモンドの心こそが本当の自分だと思う。
お父さんやお母さんは絶対にそう思う」

子どもはどんな態度をとろうと、親の言葉を聞いています。
その言葉を語るときに親の目を見ています。
言葉に秘められた親の思いを感じています。
ですから、こうしたダブルメッセージを意識しながら、真剣に叱ってあげることがとても大事なことだと思います。

 


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