コラム

【思春期】人をほめる力③

2013年11月11日

人をほめる力③

子どもの心を見つめ、
「本当の自分への目覚めに対して、ほめてあげる」
とはどういうことでしょう?

まずは、以前に『どのような人間観を持って子どもと接するのか?』『子どもの心を見つめる』のコラムで述べた「本当の自己(=ダイヤモンドの心)」と「偽りの自己」について、振り返っていただければありがたく思います。
人の心の中には、「本当の自己(=ダイヤモンドの心)」と「偽りの自己」があります。

例えば、笑顔ひとつとっても、周囲に気に入られようと思って無理に作っている笑顔であれば、その心は「偽りの自己」の状態にあるので、本人の心の中にはしんどさがあります。
一方、いつも疲れ切ってゆううつな表情をしていた人や、全く表情のなかった人が少しずつ元気になって、ふと笑顔を見せるようになったとき、その笑顔は「本当の自己」の心から出てきた笑顔なんですね。
だから、ほめるんです。
「最近、笑顔が出てきたね。
そうした笑顔が出るようになってきたということはとてもいいことだと思うよ。
あなたがそうした笑顔でいると、まわりの人もきっととてもうれしいし、しあわせだと思うよ」

不登校の子どもが友達と遊んでいるときもそうです。
「学校も行かないで遊んでばかりで、遊びに行けるくらいなら学校に行きなさい」
なんて怒ってはダメなんですね。
子どもが友達と生き生きと遊ぶ姿は「偽りの自己」の姿ではなく、「本当の自己」の心から出てきた姿です。
だから、その「本当の自己」の心を認めてあげて、
「友達と遊んで楽しかったのならよかったね。
そうやって楽しいと思えることがあるのはとてもいいことよ」
とほめてあげるのです。

そうすると、子どもも安心します。
その心の余裕が
「もうちょっと頑張ろうかな」
「もう少ししたら、学校に行ってみようかな」
という気持ちを引き出すのです。

子どもを育てるほめ方というのは、親の価値基準でほめるのではなく、
「本当の自分に目覚めた言動に対して、ほめる」
ということなんですね。
子どもの心の中にある「本当の自己」と「偽りの自己」を知って、その心を見つめる。
そのまなざしがとても大切なんです。

 


本当の自分に目覚め、幸せに生きるダイヤモンドの心の医療