コラム

拒食症治療における薬の役割

2014年01月29日

拒食症の治療には薬物療法、精神療法、カウンセリング、食事療法などいろいろありますが、まず押さえておきたいのは薬で拒食症は治せません。
薬で治せるというのなら、治療はどれほど楽になるでしょう。

では、薬を使う必要などないのでしょうか?
極論で言えば、薬がなくても治療に取り組むことはできます。

ただ拒食症治療における薬の役割というのは、自転車で言えば補助輪のようなものです。
最終的に自転車は自分の力でこげるようにならないといけませんが、自転車をこげるようになるには補助輪があった方が助かりますね。

不安やうつがあまりに強いときには、薬を飲むことでましになることがあります。
気持ちが前向きになって頑張ろうという気持ちになれることがあります。
初めて食事に取り組むときにはしばしば吐き気や胃痛をきたすことがありますが、そうした消化器症状もいくらかましにすることを期待できます。
いずれも薬の効果はパーフェクトではありません。
平均的に見ると、2~3割程度ましになるといった感じです。

拒食症治療への取り組みは本当に大変なことです。
そのハードルを超える厳しさは、体験したことのない人にはほとんど理解できないでしょう。
ですから、たとえ2~3割程度でもあっても負担を軽減するというのはとても意味のあることです。

拒食症治療における薬物治療は、根本的な治療としては役に立ちません。
しかし、補助的な意味としては役に立ちます。
治療を軌道に乗せ、成功に導くために有効であると考えられます。


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